第3話「天使様へのご褒美」

志保子「周!いるんでしょう?周!」

志保子「あら周。元気そうで良かったわ」

周『おうおう。元気だから帰ってもらっていいか?』

「まあ、親に向かってそういうことを。わざわざ数時間かけてここに来たのよ?ねぎらいもないの?」

『遠くからお越しいただき誠にありがとうございます』

『帰ってくれ』

「まあ。そういうかわいげない所は修斗さんに似てないわよね」
『かわいげなんて男に要らないだろう』

「反抗期ね。じゃ、おジャマしま…」

『待ってくれ!誰もいいとは…』

「ここ、私と修斗さんの稼ぎで借りてるのだけど?」

『ウッ…ンン…』

「おジャマしま~す」


「不摂生してないか、抜き打ちじゃないと見られないじゃない」

『グッ…で…でも問題ないだろう。片づけてるし』
「そうね。びっくり、意外だわ」

「肌艶もいいし、ちゃんと栄養もとってるのね」
『お…おう』

(マズイ)

志保子〈周?いるんでしょう?〉
『友人としての好意はあるが、異性への好意を全部恋愛感情にするなよ』

『大体…こいつだってそんなことなんて思ってないし』

『そう思われると…あっ…』
「うん?」

『うん?』

『し…椎名。誤解されてるから、解くの手伝ってくれ』

『誤解?』
「ねえねえ。彼女さんお名前は?」

『えっ?あ…あの…椎名真昼です』
「あら!真昼ちゃん?かわいい名前ね。私は志保子。遠慮なく名前で呼んでね」

『は…はい。あっ…』


真昼『あ…あの…お母さま』
志保子「あら!もうお母さまと認めてくれるのね」

『藤宮さん!』
「藤宮じゃ私も周もよ。ねえ?周」

周『えっ…母さん、椎名が困ってる』
志保子「周。彼女さんくらいちゃんと名前で呼んであげなきゃ駄目よ」

真昼『あ…あの…志保子さん。私と藤宮さん…』
志保子「どっちか分からないわ」

真昼『あ…周くんとはそういう関係ではなくてですね…』
志保子「あら。じゃこれからそうなるのかしら?」

真昼『えっ?あ…あの…そうじゃなくて…』
志保子「ヤダ私ったら…いい雰囲気をおジャマしちゃったのかしら」

『あ…あの…ちゃんと説明させてほしいです』
「はい」

『周…くんとは、ご飯を一緒に食べていただけというか。周くんがご飯を作れないから…』

「そういうことなら、是非支えてあげてほしいのよ真昼ちゃん」
『いや…あの…』

『諦めてくれ、椎名。母さん興奮状態だと話聞かないから』

『そんなぁ!?』

